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主権維持へ「核兵器必要」 露支援のベラルーシ駐日大使 平和公園訪問し見解

 ウクライナに侵攻したロシアを支援するベラルーシのルスラン・イエシン駐日大使が21日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆慰霊碑への献花後に報道各社の取材に応じ、ベラルーシの同盟国ロシアが核兵器の使用を示唆してきたことについて「自国の主権と独立を守るために欠かせないのであれば核兵器は必要だ」との見解を述べた。

 ベラルーシはロシアがウクライナ侵攻の拠点とし、日本政府は両国に経済制裁を科している。イエシン大使は、ソ連崩壊後にベラルーシ国内の核兵器を撤去したことが今回の制裁につながったとの受け止めも示した。

 イエシン大使はその後、広島市役所を訪ね松井一実市長と面会。「日本の首相や外相に、制裁対象というフィルターを通してベラルーシを見ないようお願いしてほしい」と述べた。松井市長は「核兵器を使うことがあってはならず、その思いを広める手伝いをしてほしい。立場は違っても対話で思いの共有を図ろう」と呼びかけた。

 一方、広島市は8月6日の平和記念式典にロシアとベラルーシの代表を招待していない。離任を前に広島市を訪れたイエシン大使は面会後、報道陣に「(広島市は)決定を急ぎ過ぎた。紛争を抱えている国を広島は招待しないのか」と疑問を呈した。(宮野史康、加納亜弥、川上裕)

(2022年7月22日朝刊掲載)

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