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島根2号機安全審査 島根県・松江市に了解要請 中電、年内申請実現へ

 中国電力は21日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)2号機(出力82万キロワット)の再稼働に向け、原子力規制委員会に申請する安全審査について、立地する島根県と松江市に事前了解を申し入れた。福島第1原発事故を受け発足した規制委の下、中国地方唯一の原発で初の再稼働手続きが始まった。

 再稼働手続きを始めた全国5電力のうち、立地自治体の事前了解を求めたのは、柏崎刈羽原発が立地する新潟県に要請した東京電力に次ぎ2社目。

 苅田知英社長が県庁に溝口善兵衛知事、市役所に松浦正敬市長を訪ね、申請書類を提出した。会談後、両首長とも申請手続きの進展は認める考えを表明。苅田社長も「了解が得られれば速やかに申請する」との見解を示し、中電が目指す年内の申請が実現する見通しとなった。

 中電は申請書類に、規制委が7月に施行した原発の新規制基準に沿って進めている安全工事の状況を盛り込んだ。規制委が稼働条件とする主な工事について、2014年9月までに終えることを初めて明らかにした。

 原発30キロ圏の鳥取県と出雲、雲南、安来、米子、境港の5市も清水希茂副社長たち幹部4人が訪問し、申請書類を提出した。

 島根県と松江市は中電と結ぶ安全協定に基づき、申請前に事前了解を得るよう中電に求めていた。鳥取県と5市には協定上の了解権がないが、島根県は申請を了解するかどうかを正式に判断する際、1県5市の意見を反映させる。

 中電は建設中の3号機(出力137万3千キロワット)でも安全審査の申請準備を進めている。苅田社長は「新設の原発で独自の対応もあり、準備が少し遅れている」と述べた。(樋口浩二、土井誠一)

安全審査
 原子力規制委員会による原発の安全性チェックで、稼働の前提となる。福島第1原発事故を踏まえ、規制委が津波、地震対策などを強化した新規制基準に適合することが必要。これまで全国5電力が計14基の審査を申請した。福島第1、島根と同じ沸騰水型は東京電力が9月に申請した柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)だけ。11月21日に審査入りした。

(2013年11月22日朝刊掲載)

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