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米軍低空飛行 最多1057件 広島県内 本年度上半期の目撃

 広島県内の米軍機とみられる低空飛行の目撃件数は本年度上半期(4~9月)、1057件に上り、調査を始めた1997年度以降で最も多くなったことが21日、県のまとめで分かった。騒音測定器が設置された北広島町で倍増するなど住民の関心が高まったのが一因と県はみているが、「低空飛行訓練が増えている」との見方もある。(野崎建一郎)

 目撃件数は、これまでの最多だった2012年度上半期の1012件に比べ45件増えた。8市町で目撃され、実日数は上半期の6割に当たる計111日に上った。大半が米海兵隊岩国基地(岩国市)所属の米軍機とみられる。

 岩国基地が訓練時の中継地になっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの目撃は無かった。

 市町別では北広島町の791件が最多。全体の74・8%を占め、12年度同期の357件から倍増した。同町では町が1月に騒音測定器4台を、中国四国防衛局が8月に1台を設置。県国際課は「測定器を置いたことで住民の問題意識が高まったのでは」とみている。

 次いで多いのが北広島町に隣接する安芸太田町の158件。廿日市市43件▽三次市27件▽安芸高田市12件▽庄原、大竹市11件▽江田島市4件―と続いた。

 「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」の坂本千尋事務局長は「山間部では1時間に10回以上、目撃されることがあると聞く。複数機による編隊飛行が増えているという情報もあり、実際に騒音被害が増えている可能性がある」と話す。

 県は近く、米国に対する低空飛行訓練の中止要請と、騒音測定器の増設を、外務、防衛両省に要請する方針でいる。

(2013年11月22日朝刊掲載)

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