×

ニュース

被爆2世の健康影響解析 放影研 10年以降のデータを反映

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は25日、被爆2世の病気と親の被爆の関連を調べるため、2020年末までの2世健診で得られたデータを反映した新たな統計解析に着手すると明らかにした。最新の統計手法を導入し、1年程度かけて解析する。

 高血圧、脂質異常症、糖尿病の3種類の疾患について、親の被爆の影響を調べる。生活習慣や病気への関心度など親の被爆と関係ない要因を取り除くほか、病気や死亡により健診に来なくなった人のデータを反映する。解析の偏りを補正する最新の手法を採用する。

 20日に非公開で開いた第三者委員会「被爆二世臨床調査科学倫理委員会」で、解析手法や対象となるデータなどを定めた計画書を承認した。早ければ来年の同委員会で結果を報告する可能性がある。

 放影研は2000~06年に2世の健康調査を実施。解析の結果、親の被爆に関連した病気のリスクを示すデータは得られなかった。10年以降は4年に1度のペースで2世健診を続けている。3疾患については必要な症例数が蓄積され、本格的な解析が可能と判断した。大石和佳・臨床研究部長は「重要な調査。解析してできるだけ真実に迫れるよう最善を尽くす」としている。(明知隼二)

(2022年7月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ