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広島一中 犠牲者に思い 国泰寺高で慰霊祭 平和へ行動誓う

 広島市中区の国泰寺高で24日、前身の旧制広島一中の原爆死没者慰霊祭があった。遺族や同窓会員たち約100人が参列。当時犠牲になった生徒353人と教職員16人、その後に亡くなった同級生たちを追悼し、あらためて平和を祈った。

 参列者は校内の慰霊碑「追憶之碑」の前で黙とうした。在校生代表でこの日は欠席した2年曺宇利(ちょうり)さん(16)の追悼の言葉を、2年上田葵依(あおい)さん(16)が代読。「広島に住む人として、国泰寺高の生徒として、平和を求め一人一人が行動していく」と誓った。続いて参列者は順に献花。全校生徒も教室で放送を聞いた。

 参列した神戸市の田中文枝さん(86)は1年生だった兄岡田信(まこと)さんを悼んだ。校舎で待機中に被爆し、被爆の急性症状に苦しみながら一命を取り留めたが、復学しなかったという。同級生288人が犠牲となり「何事もなかったように元の道に戻れなかったのでしょう。64歳まで生きましたが、さみしさを抱えた一生だったと思う」と涙をこぼした。(明知隼二)

(2022年7月26日朝刊掲載)

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