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[NPT再検討会議2022] 「核なき世界へ橋渡し」 首相決意 初日に演説へ

 岸田文雄首相(自民党総裁)は26日の党役員会で、8月1~26日に米ニューヨークの国連本部である核拡散防止条約(NPT)再検討会議への出席に向け「核兵器のない世界に一歩近づけるためのビジョンを示し、理想と現実の橋渡しにつながる成果を収める」と述べた。日本の首相で初めて出席し、核保有国と非保有国の橋渡しを図る考えを改めて示した。

 191の国と地域が核軍縮の道筋を探る場で、開催は2015年以来7年ぶり。前回の会議では核保有国と非保有国の対立などで、NPT体制の強化につながる最終文書を採択できなかった。今回、岸田首相は初日の8月1日に演説する予定で、地元広島の被爆の惨禍を訴え、核兵器廃絶の機運を高めたい考えだ。

 自民党役員会では、NPT再検討会議に関し「国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石」と強調。NPT加盟国でウクライナに侵攻したロシアが核兵器による威嚇をしていることを踏まえ、「核兵器使用の可能性を具体的な問題として考えねばならない」と訴えた。

 首相は、被爆国として核保有国と非保有国の橋渡しを唱えてきたが、6月に開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議には「核兵器国が一カ国も参加していない」などとして日本政府関係者を派遣しなかった。(中川雅晴)

(2022年7月27日朝刊掲載)

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