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国連目標に「核廃絶」 国際会議で賛同訴え ポストSDGs目指す広島県や官民組織 今夏職員を相次ぎ派遣

 広島県と、県など官民でつくる「へいわ創造機構ひろしま(HOPe)」は今夏、核兵器や国連の持続可能な開発目標(SDGs)を巡る海外の国際会議へ職員たちを相次ぎ派遣している。SDGsの後継目標に核兵器廃絶を盛り込む活動の推進へ、賛同拡大を目指している。

 オーストリア・ウィーンで6月にあった核兵器禁止条約の第1回締約国会議では、職員3人と専門家1人が現地を訪れた。非政府組織(NGO)の関連行事の中で県としてパネル討議を開催。国内外の若者3人が環境や教育、健康など幅広い分野へ影響を及ぼす核兵器に依存した安全保障から脱却すべきだと確認した。

 締約国会議の会場では、持続可能な地球のために核兵器を廃絶すべきだという県の主張を紹介する展示もした。展示には締約国の政府がホスト役になる必要があり、条約を批准していない日本は頼れなかったが、核軍縮に強い関心を持つジャマイカの駐日大使に依頼すると、快く引き受けてくれたという。

 続けて今月4~9日には湯崎英彦知事たち6人が訪米。ニューヨークの国連本部で開いた核兵器と持続可能性をテーマにした会合は約40人が来場し、ウェブ上で多数が視聴した。来月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議でも同様の発信を予定する。

 こうした機会を通じ、ポストSDGsに向けた活動の母体として設立した新組織への勧誘や、来年度に初会合の開催を目指す、核保有国と非保有国の双方の政府関係者が参加する「フレンズ会合」の議長国を引き受ける国も探している。HOPeの西沢真理子マネージャーは「国際社会への問題提起を通じて核兵器廃絶の機運を高めたい」と話している。(宮野史康)

(2022年7月27日朝刊掲載)

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