×

ニュース

広島の今 切り取る カメラマンの三浦さん 「ミウラヒロシマ」 29日から古里で初 アーティストと街に焦点

 広島市出身のカメラマン三浦憲治さん(73)=東京都=の写真展「ミウラヒロシマ」が29日から、広島市中区の基町クレド6階で開かれる。広島出身のアーティストと広島の街の風景に焦点を当てる。三浦さんは「広島には絵になる場所がたくさんある。地元を新しい目で見るきっかけになればうれしい」と楽しみにする。(里田明美)

 三浦さんは、これまで矢沢永吉やレッド・ツェッペリンら国内外の著名アーティストを数多く撮影し、ロックカメラマンの草分けといわれる。十数年前、知り合いのカメラマンに広島を撮るよう勧められ、古里と向き合い始めた。2014年からは「広島って面白いんだよ」と伝えたくて東京で写真展を毎年開催。今回はその広島で初開催となる。

 歌手の吉川晃司やユニコーンの川西幸一とはデビュー間もない頃から交流があり、今年5月に二人をあらためて県内で撮影した。奥田民生が15年にマツダスタジアムで開いた「ひとり股旅スペシャル@マツダスタジアム」のポスター写真も三浦さんの作品だ。会場にはそれらを含め約120点を展示する予定。

 アーティスト写真は、パラパラ漫画ができそうな連写スタイルで撮影した。「ポーズを決めるとガチガチになる。動きながらの方が撮られる側も楽だろう」。そのときにしか撮れない偶然をたくさん狙った。「吉川晃司を撮影すれば、それだけで様になる。そこに、子どもが自転車で横切るような偶然が入れば、今らしい一枚になる」

 広島の風景写真も、「ありのままのポップなヒロシマ」を掲げ、今ここにしかない瞬間を切り取った。アイスクリームに向かってきた平和記念公園のスズメや、厳島神社の鳥居近くで女子生徒がジャンプした一瞬などを捉えた。

 広島は18歳まで暮らし、思い出の詰まった街だ。還暦を過ぎて古里と向き合い、あらためて感じるのは「広島って本当にきれい。緑に囲まれ、少し歩けば川があり、空が抜けている。こんな街はなかなかない」。撮れば撮るほど発見があり、面白さも増している。

    ◇

 写真展「ミウラヒロシマ」は29日から8月7日まで。中国新聞社などの主催。無料。ミウラヒロシマ実行委員会☎082(249)6111。

(2022年7月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ