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[2023広島サミット] 気候問題 閣僚会合で成果へ 和田環境事務次官 「日本の技術 発信」

 環境省の和田篤也事務次官は28日、中国新聞など地方紙11紙でつくる記者クラブ「国会11社連合」の合同インタビューに応じた。広島市で来年5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け「サミットで気候変動問題に焦点が当たるよう環境分野の閣僚会合で成果を出したい」と強調。石炭火力発電で出る二酸化炭素(CO₂)を削減する技術を世界に発信する考えを示した。

 和田氏は石炭にアンモニアを混ぜて燃やすなどCO₂排出量を減らす日本の技術について「石炭火力が増える途上国に貢献できる。来年は技術を発信する好機となる」と述べた。ドイツのベルリンで今年5月にあった気候・エネルギー・環境相会合は、気候変動対策のさらなる前進で合意。CO₂排出削減対策がない石炭火力に関しては段階的廃止に取り組むことを決めている。和田氏は来年の環境部門の閣僚会合について「現行の火力発電をいかに減らしていくかがトピックになるだろう」と話した。

 ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で、エネルギーの供給不安が指摘されている。和田氏は石炭火力を巡り、エネルギーの安定供給の観点から「今すぐ止めろという話にはならない」とした上で、新設には反対の考えを示した。(山本庸平)

(2022年7月29日朝刊掲載)

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