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進まぬ核廃絶に原点の願い切々 県被団協理事長の箕牧さん、三次講演

 広島県被団協理事長の箕牧(みまき)智之さん(80)が、三次市三次町の市民ホールきりりであった平和学習会で「広島からのさけび」と題して講演した。戦時中の体験や核兵器廃絶に向けた活動を語り、約130人が聞き入った。連合広島備北地域協議会の主催。

 東京生まれの箕牧さんは東京大空襲に遭い父の出身地広島に移り住んだ。原爆投下時は3歳。爆心地から約17キロ離れた飯室村(現広島市安佐北区)の自宅前で遊んでいて、空がピカッと光った。仕事に出掛けたまま戻らない国鉄勤めの父を捜すため、母、弟とともに広島市内に入った。

 講演では原爆投下後の写真、被爆者の証言を基に描かれた絵のほか、ニューヨークで証言をした際の様子も紹介。昨秋に県被団協理事長に就任した箕牧さんは「『被爆者が生きているうちに核兵器をなくしてください。今生きている被爆者全員の願いです』。いつもこう訴えているが、その前に大きな山があり、なかなか乗り越えられないのが現状だ」と締めくくった。

 三次市三次町の会社員藤晃大さん(25)は「学生時代は被爆者の話を聞く機会があったが、最近遠のいていた。ロシアのウクライナ侵攻も続く中、より平和について考える必要があると感じた」と話した。

(2022年7月29日朝刊掲載)

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