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反核の訴え 作品に込め 広島市中区で「ヒロシマと建築家」展

 有名建築家2人が反核の思いを込めた作品を中心に紹介する企画展「ヒロシマと建築家」が23日、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店で始まった。12月3日まで。無料。

 白井晟一氏(1983年に78歳で死去)の展示は、米国によるビキニ環礁での水爆実験に衝撃を受けて55年に発表した「原爆堂」の設計図など7点。池から突き出た円筒形の柱の上部に四角の堂を設け、池底の地下道で対岸の建物とつながるユニークな構造を伝える。建設は実現しなかったが、図面を基にした模型も並べた。

 磯崎新氏(82)=東京=は、68年発表のコラージュの複製を出品。被爆直後の市街地の写真の上に倒壊した近代建築を描き、核兵器がある限り、都市が破壊される恐れが消えないと訴えている。佐伯区の会社員西川浩史さん(36)は「反戦の強烈なメッセージを感じる」と話していた。

 日本建築家協会中国支部広島地域会(中区)が主催。「東日本大震災の被災地にエールを送ろう」と、被爆直後と現在の市内の様子が比較できる写真も展示している。(田中美千子)

(2013年11月24日朝刊掲載)

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