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NPT会議1日開幕

 核兵器廃絶へ国際社会が岐路に立つ中、核軍縮の方策を探る核拡散防止条約(NPT)再検討会議が1日、7年ぶりに米ニューヨークの国連本部で開幕する。序盤は各国政府の代表による討論を実施。日本の首相として初めて出席する岸田文雄首相は1日午前(日本時間深夜)に演説し、「核兵器のない世界」に向けた機運の醸成を国際社会へ呼びかける。

 「核軍縮」「核不拡散」「原子力の平和利用」を掲げる条約には約190カ国・地域が加盟。会議初日から4日までは首脳や閣僚、実務者たちの一般討論演説があり、ウクライナ情勢を巡る応酬が見込まれる。

 岸田首相は31日、米国への出発を前に公邸で報道各社の取材に応じ、核軍縮を巡る国際社会の対立やロシアがした核兵器による脅しに触れて危機感を表明。「厳しい状況にあるからこそ、日本の首相として初めて出席し、核兵器のない世界に向けた機運を反転させ、再び盛り上げる機会にしたい」と意気込んだ。

 5日は非政府組織(NGO)の発表があり、長崎で被爆した日本被団協の和田征子事務局次長や、平和首長会議(会長・松井一実広島市長)の副会長を務める田上富久長崎市長が核兵器の非人道性や廃絶を訴える予定。会期は26日まで。5日以降に順次、「核軍縮」などの3委員会で討議に入り、方策を盛り込んだ最終文書の採択を目指すが、ウクライナ情勢などを受けて難航必至だ。(ニューヨーク小林可奈、山本庸平)

(2022年8月1日朝刊掲載)

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