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佐久間さん「核兵器は悪魔」 広島県被団協理事長 NPT会議前に証言

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議を前に、訪米中の広島県被団協の佐久間邦彦理事長(77)が7月30日、米ニューヨークの平和集会で被爆体験を証言した。自らの苦しみを振り返り、「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」と、核兵器廃絶へ世界の連帯を呼びかけた。(ニューヨーク発 小林可奈)

 50人超の参加者を前に、佐久間理事長は生後9カ月の時に爆心地から約3キロの現広島市西区の自宅で被爆したと証言。原爆投下後の「黒い雨」に遭い、差別や偏見に苦しんだ経験も語り、「核兵器は絶対悪であり、悪魔の兵器。悲劇を繰り返してはならない」と訴えた。ウクライナに侵攻したロシアが核兵器で威嚇する現状に触れて「ノーモア・ヒバクシャ、ノーモア・ウォー」と力を込めた。

 各国の平和団体のネットワーク組織の主催。ドイツ出身の大学生イダ・ブッシュさん(21)は「証言は心に強く響いた。核兵器は人としての権利を踏みにじるようなものだと実感した」と話していた。

(2022年8月1日朝刊掲載)

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