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来月7日にシンポ「広島・長崎の記憶」 世界の虐殺を3人が語る 広島市中区

 12月7日に広島市中区の広島国際会議場で開かれる国際シンポジウム「広島・長崎の記憶―世界と共に考える次世代継承の道」に、海外3カ国でそれぞれの虐殺の歴史を伝えている3人が、パネリストとして参加する。

 ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺(ホロコースト)を語り継ぐ国立アウシュヴィッツ博物館(ポーランド)公認ガイドの中谷剛氏=写真上、3カ月で80万~100万人が虐殺されたとされるルワンダのキガリ・ジェノサイド記念センターのイヴ・カムロンジ副センター長=同中、200万人近い犠牲者が出たとされるカンボジアのトゥール・スレン・ジェノサイド博物館のソピアロム・チェイ副館長=同下=の3人。

 中谷氏は1991年からポーランドに住み、唯一の日本語ガイドを務めながら通訳・翻訳家としても活躍。著書に「アウシュヴィッツ博物館案内」(凱風社)などがある。

 カムロンジ氏は2004年、キガリ・ジェノサイド記念センターに加わり、13年から副センター長。被害者の証言や、ジェノサイド後の和解、社会再建、平和構築に関わる記録収集などに努める。

 チェイ氏は2003~05年、ポル・ポト時代の虐殺・拷問などの人権侵害について調査。06年からトゥール・スレン・ジェノサイド博物館でガイドを務め、08年から副館長。

 3人は、早川敦子津田塾大教授の基調講演に続いて登壇。それぞれ次世代継承に向け、どう取り組んでいるか―などについて話す。

 さらに被爆地広島・長崎での体験継承の活動報告もあり、最後にカムロンジ、中谷、チェイの3氏に、広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長を交えた4人がパネル討論。継承の在り方や課題について議論を深める。

 シンポは広島市立大と長崎大核兵器廃絶研究センター、中国新聞社の主催で午後1~5時。無料。申し込み不要。通訳付き。平和研Tel082(830)1811=平日のみ。

<シンポジウム(午後1~5時)主な予定>

1部 基調講演 津田塾大教授 早川敦子氏

2部 海外の実務家に学ぶ

 「ジェノサイド後の記憶の継承と社会再建プロセス」キガリ・ジェノサイド記念センター(ルワンダ)副センター長 イヴ・カムロンジ氏
 「ホロコーストを次世代に伝える」国立アウシュヴィッツ博物館公認ガイド 中谷剛氏
 「次世代継承に向けたトゥール・スレン・ジェノサイド博物館の取り組み」トゥール・スレン・ジェノサイド博物館(カンボジア)副館長 ソピアロム・チェイ氏

3部 広島・長崎から―被爆地の実践と展望

 原爆資料館長 志賀賢治氏
 中国新聞社ヒロシマ平和メディアセンター長 田城明氏&ジュニアライター2人
 長崎大核兵器廃絶研究センター准教授 中村桂子氏&ナガサキ・ユース代表団メンバー
 広島平和研究所副所長 水本和実氏

4部 広島・長崎を次世代につなぐ―カムロンジ氏、中谷氏、チェイ氏、水本氏によるパネルディスカッション

狙いや内容 番組で紹介 26日と30日 FMちゅーピー

 12月7日の国際シンポジウム「広島・長崎の記憶―世界と共に考える次世代継承の道」の狙いや内容について、FMちゅーピー(広島市中区)が26日午後4時半~5時と30日午後2時半~3時の2回、番組「ピースロード」で紹介する。

 収録が18日にあり、主催者の一つ、中国新聞社ヒロシマ平和メディアセンターの増田咲子記者が出演。「被爆者の高齢化が進む中、私のような30歳代やさらに若い世代に被爆体験をどう伝えていくか。世界の人たちも交えて考えたい」などと説明した。  番組は、インターネットでも聞ける。アドレスhttp://csra.fm/blog/author/chupea/

(2013年11月25日朝刊掲載)

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