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若者被爆地訪問 国連に基金創設 国際賢人会議は11月下旬

 岸田文雄首相が、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開幕する8月1日の演説で、世界の若者に広島、長崎で被爆の惨禍に触れてもらうため、国連に基金を創設すると表明することが29日、分かった。国内外の政治指導者を広島市に招く「国際賢人会議」を11月下旬に開くことも紹介し、各国に参加を呼びかける。

 複数の政府関係者が明らかにした。被爆者が老いを深め、記憶の継承が困難になる中、若い世代の被爆地訪問を促す狙いがある。日米両政府がことし1月にまとめたNPTに関する共同声明でも、若者に「広島、長崎訪問を要請する」との文言を盛り込んでいる。

 国際賢人会議は首相が外相時代に創設した有識者会合「賢人会議」を発展させ、核兵器保有国と非保有国の政治リーダーを広島市に招く予定だ。日本政府は年内開催を模索する中、来年度の予算編成が大詰めを迎える前の11月に開くのが最適だと考えたようだ。

 岸田首相は2020年に出した著書で国際賢人会議の構想を記し、現職の米大統領として初めて広島を訪れたオバマ氏や、ロシアのゴルバチョフ元大統領を招く考えを示している。(樋口浩二、口元惇矢)

(2022年7月30日朝刊掲載)

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