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故中沢さんの本、モンゴル語で出版 ボランティア団体

 昨年12月に亡くなった漫画家中沢啓治さんの本「はだしのゲンはヒロシマを忘れない」のモンゴル語版が出版された。ボランティア団体、モンゴル子供支援(ハイシリングNGO、江口喜多枝代表)が発行した。

 本は、被爆後の中沢さんの子ども時代や、代表作「はだしのゲン」など原爆漫画を描くようになったきっかけ、被爆者として受けた偏見に加え、旧ソ連最大の核実験場があったカザフスタンや史上最悪の原発事故の起きたチェルノブイリを戦後50年に訪れた際のエピソードもつづられている。2008年に出版された。

 同団体は、本が50ページ程度で読みやすく、現地の大人向けに適していると考えて約1400部印刷。表紙には、絵本「はだしのゲン」のモンゴル語版を読んだ少年が描いた絵をあしらった。中には、中沢さんの妻ミサヨさんからのメッセージも入っている。

 A5判、67ページ。これまでに、モンゴル国内の全13ロータリークラブの会員約300人に配布。モンゴル国立大にも100冊贈った。今後も、活用してもらえる団体などに配る。江口代表は「原発の導入準備をしているモンゴルの人たちに読んでもらいたい」と話している。

(2013年11月25日朝刊掲載)

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