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死没者名簿に坪井さんの名 広島市

 広島市は29日、昨年10月に96歳で亡くなった前広島県被団協理事長の坪井直さんの名前を原爆死没者名簿に記帳した。「不撓(ふとう)不屈。ネバーギブアップ」をモットーに核兵器廃絶を訴えた「ヒロシマの顔」。亡くなった日付などとともに刻まれた。

 元市職員の被爆者中本信子さん(80)=南区=が広島市中区の鷹野橋職員会館で122冊目となる広島被爆の名簿に一礼。手を合わせて筆を執った。記帳後「世界で反核平和を唱えてくれた尊い人でした。ありがとうございました」と話した。

 市は8月6日の平和記念式典で、この1年間に死亡が確認された他の被爆者の名前とともに原爆慰霊碑に納める。

 坪井さんは1945年8月6日に爆心地から約1・2キロの富士見町(現中区)で被爆。47年に中学校教員となり、教え子に被爆体験を語り「ピカドン先生」とも呼ばれた。退職後、被爆者運動に関わり、2000年に日本被団協の代表委員に就任。04年に県被団協の理事長に就いた。(宮野史康)

(2022年7月30日朝刊掲載)

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