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戦争の実態 よりリアルに 東広島市原爆被爆資料展示室リニューアル 犠牲者の生涯など紹介

 東広島市市民文化センター(西条西本町)の市原爆被爆資料展示室が1日、リニューアルオープンした。これまでは資料の陳列だけだったが、被爆者の生涯などを紹介するパネルを新たに設け、戦争の実態を伝える展示に力を入れた。

 管理する市原爆被爆資料保存推進協議会が、被爆者や遺族、戦争体験者たちから譲り受けた約1100点が並ぶ。学徒動員中に被爆して亡くなった地元出身の少年たちに関する展示は、遺品の服や靴とともに、それぞれの生い立ちや遺族から聞き取った被爆時の様子を紹介。若い命が原爆で奪われた事実を生々しく伝える。

 展示室は1989年、八本松南の八本松地域センターに開設。2009年からは市民文化センターと2カ所で運営してきた。地域センターの来場者減少を受け、資料を市民文化センターに集約。リニューアルでは、スペースを約2倍の60平方メートルに広げた。

 戦争資料として従軍時に身に着けていた帽子など8点を寄贈した高屋町の大成玉光さん(97)もこの日、来館。「多くの人を深く傷つけた戦争の歴史を知ってほしい」と話した。

 天野浩一郎会長(80)は「東広島と戦争、原爆との関わりを知り、平和について考えるきっかけにしてもらいたい」と呼びかけている。7日までスタッフが常駐して解説する。午前10時~午後5時(7日は午後4時まで)。(高橋寧々)

(2022年8月2日朝刊掲載)

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