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連載・特集

手塚治虫展 「マンガの神様」のメッセージ <4> アニメ「ジャングル大帝」セル画など

夢追い生んだ工夫と技

 「僕がマンガ家になったきっかけは、お金をためてアニメを作りたいから」と手塚治虫は語っていた。1961年に自身のアニメ制作会社を設立、翌々年に国産初の30分テレビアニメシリーズ「鉄腕アトム」を放映開始させ大ヒットとなった。

 アニメ映像は1秒間に12~24枚の絵が必要とされ、毎週30分放映の実現は当時、「絶対に不可能」と言われたが、話すシーンは口だけを動かし他は止め絵にするなど絵の枚数を減らす工夫を重ねた。

 65年には国産初の30分カラーテレビアニメシリーズ「ジャングル大帝」を制作、世界中で放映された。自身の手でアニメを作るという手塚の思いが生み出した工夫と技術は、後の日本アニメに受け継がれていくことになる。(奥田元宋・小由女美術館学芸員 渡辺憲司)

 「手塚治虫展」(中国新聞社など主催)は、三次市東酒屋町の奥田元宋・小由女美術館で開催中。30日まで。水曜休館(10日を除く)。一般千円、大学・高校生500円、中学生以下無料。奥田元宋・小由女美術館☎0824(65)0010。

(2022年8月2日朝刊掲載)

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