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[ヒロシマの空白] 原爆罹災者名簿を公開 広島

 原爆で行方が分からなくなった人の消息を知る手掛かりとなる「原爆罹災(りさい)者名簿」の公開が1日、広島市中区の広島国際会議場3階の研修室で始まった。2万3039人の名前や最期の状況を記している。6日まで。

 1968年に広島東署で見つかった検視調書のほか、周辺の町村役場の死亡診断書など計83冊。遺族が、捜している人の名前や住所を記録票に記入し、申請する。名簿に載っていれば該当部分のコピーを受け取れる。名前や死因、死亡場所・日時を確認できる。

 市は68年から毎年この時期に名簿を公開。昨年は27人の申請があり、9人の確認につながった。市平和推進課は「全貌が明らかになっていない原爆被害の空白を埋める一助にしたい」としている。

 会場では、名前が判明しながら引き取り手が見つかっていない平和記念公園(中区)内の原爆供養塔の納骨名簿も掲示。原爆死没者名簿の登録申請と確認も受け付ける。午前9時~午後5時。市平和推進課☎082(242)7831。(宮野史康)

(2022年8月2日朝刊掲載)

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