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77年前の矢野 8・6の記憶 安芸区・やの交流プラザ 住民手記など展示

 広島市安芸区のJR矢野駅の自由通路内にあるスペース「やの交流プラザ」で、住民たちの被爆をテーマにした展示「77年前、矢野の8月6日」が開かれている。同区が初めて企画した。7日まで。

 矢野地区の住民4人の原爆体験の手記などを印字したパネルを掲示している。宮尾英夫さん(87)=矢野東6丁目=は矢野国民学校(現矢野小)の校庭にいた原爆投下時の様子を「強い光線が走り、無数のドラム缶が破裂するような音が響いた」と振り返っている。

 河村洋美さん(75)=矢野西5丁目=は広島一中(現国泰寺高)の校舎内で被爆した兄を母親たちが必死に介抱したが2週間後に死亡したことなど、家族や親戚から聞いた話を書いている。会場には当時の市内の写真などを写した原爆資料館の貸し出し用パネル6枚も並べている。

 祖父母を訪ねて矢野駅に来た大芝小(西区)5年の双子乙部雅希さん(11)、紘希さん(11)は「悲惨な体験をした人たちが矢野にもいたことに驚いた。6日は登校日なので黙とうして平和について考えたい」と話していた。(二井理江)

(2022年8月3日朝刊掲載)

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