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因島空襲 重井中生学ぶ 地元紙記者の講演で

 広島県尾道市因島重井町の重井中の1~3年51人が2日、近くの重井公民館で1945年の「因島空襲」について学んだ。長年調査してきた地元紙の青木忠さん(77)の妻で、記者の悦子さん(72)=同市因島椋浦町=の講演を聴いた。

 空襲は、島南部の軍需工場が標的となり7月28日の被害が最大だったとされる。労働者や地元住民が犠牲になったが、公的な資料が残されておらず、正確な被害は分かっていない。

 悦子さんは、2008年に忠さんが出版した「瀬戸内の太平洋戦争 因島空襲」などを引用。夜中まで遺体を運んだ元従業員の証言や空襲の恐怖を詠んだ女学生の短歌を紹介し、「若い世代で知る人はほとんどいない。悲劇を忘れないよう語り継いで」と訴えた。

 講演は同中の夏季特別講座の一環。島では07年から慰霊祭を開いていたが、運営側の高齢化などで16年が最後となっている。3年の永川由恵さん(14)は「よく行く場所でこんなに悲しい出来事が起きていたとは知らなかった。英語を学び海外の人にも伝えたい」と受け止めていた。(石下奈海)

(2022年8月3日朝刊掲載)

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