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中村哲さんの足跡知って 柳井で5日から写真展 平和説き難民診療・井戸掘り

 アフガニスタンに緑を戻す活動を続け、2019年に銃撃を受けて亡くなった医師中村哲さんの足跡を紹介する写真展が5~7日、柳井市柳井の市文化福祉会館である。中村さんが現地代表を務めた福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の歩みとともに振り返る。(山本祐司)

 約50枚が並ぶ写真展は、中村さんが1984年にパキスタン北西部の病院でハンセン病患者の診療を始めた頃のカットから始まる。中村さんは難民キャンプでの診療をきっかけに隣国アフガンへ赴き、干ばつと内戦に苦しむ人たちへの支援を考えるようになった。

 きれいな水があれば多くの命を助けられる―と現地の人と始めたのが、かんがい事業だった。井戸を掘って用水路を造り、木を植える地道な取り組みを写真で切り取り、荒野に緑が広がる様子を伝える。中村さんが73歳で亡くなった後、活動は住民たちが継ぐ。

 写真展は雑誌「婦人之友」の愛読者でつくる柳井友の会が主催し、写真はペシャワール会から借り受けた。昨年、創立70周年記念で開催を考えたが、新型コロナウイルスの影響で延期した。自分だけでなく社会全体が充実するよう行動する目標が、中村さんたちの意志と重なり企画した。

 代表の片山由美子さん(72)は「中村さんは武器を持たず平和の大切さを説き続けた。活動から支援のあり方を学びたい」と話す。無料。午前10時~午後8時。片山さん☎090(7893)4508。

(2022年8月3日朝刊掲載)

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