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被爆者の半生 インタビュー 段原中と皆実高生徒ら

 段原中と皆実高(いずれも広島市南区)の生徒たちが段原公民館(南区)で被爆者の内藤達郎さん(80)=佐伯区=の半生をインタビューした。地元住民たちが毎年、原爆の日を前に開く「語りつぐヒロシマ」の一環で、対話を約60人の住民も聞き入った。内藤さんは「これからの平和のために、今起こっている戦争に無関心でいないでほしい」と呼びかけた。

 内藤さんは3歳の時、爆心地から4・8キロの仁保町(現南区)の自宅で被爆した。外出先の現中区の舟入付近で被爆した母は3年後に48歳で亡くなったという。その後、父の失業もあり、炭鉱で働くために家族で福岡県に移住した。

 生徒たちに戦後の生活について尋ねられ、移住先で「広島から来た被爆者だ」といじめられたこともあると明かした。52歳で内分泌機能障害の診断を受け、被爆者健康手帳を交付されたという。「私たちが平和のためにできることは」という問いには「自分の頭で考え続けること。平和の反対語は、戦争に対する無関心だ」と答えた。

 企画に関わった段原中放送部副部長の横木蒼さん(14)は「核兵器の恐ろしさを学んだ」。皆実高生徒会長の田村心海(ここみ)さん(16)は「今当たり前にある平和に感謝したい。被爆者の話を後世に伝えていく」と話していた。 (高本友子)

(2022年8月4日朝刊掲載)

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