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露大使「核兵器使わない」 原爆慰霊碑に献花 8・6式典招かぬ市を批判

 ロシアのガルージン駐日大使は4日、広島市中区の平和記念公園で原爆慰霊碑に献花後、ウクライナ侵攻を巡って「ウクライナで核兵器を使用する考えは全くない」と述べた。プーチン大統領による「核の脅し」が国際社会に深刻な懸念を広げる中、核問題に関する自国の姿勢を被爆地でアピール。6日の原爆の日の平和記念式典にロシアを招かなかった市を批判した。(宮野史康、川上裕)

 ガルージン氏は4日午前10時10分ごろ、ロシア大使館員たち約20人と慰霊碑を訪問。花を手向け、頭を下げた。

 直後に報道各社の取材に日本語で応じ、原爆の日を前にした平和記念公園訪問の理由を「核兵器削減へのロシアの積極的な態度を明確にするため」と説明。ウクライナ情勢を理由にロシアを式典に招待しなかった市の判断を「ロシアが核兵器廃絶に向けたリーダーであるのを無視した決定。極めて遺憾だ」と非難した。

 またプーチン大統領が核兵器の使用を示唆する発言をした点を問われると、ウクライナでの核兵器使用を否定。「ロシアが核兵器使用を間接的にも直接的にもほのめかす発言はしていない」と反発した。

 ガルージン氏はロシア大使館がこの日に市内で共催した核軍縮のシンポジウムに参加するため、市を訪れた。松井一実市長への面会は求めなかった。

 松井市長は中区で記者団の取材に応じ「広島に来て核兵器を使うつもりはないし、平和を希求するという発信をしたのであれば、国対国の外交問題を解決する取り組みをしっかりしてほしい」と話した。

(2022年8月5日朝刊掲載)

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