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被爆70年へ34事業 レストハウス改修や歩み編さん 広島市が骨子案まとめる

 2015年の被爆70年に向けた広島市の記念事業の骨子案が27日、分かった。力を入れるのは被爆の記憶の継承や平和を願う思いの発信力の強化。中区の平和記念公園にある被爆建物のレストハウスの改修や、被爆70年史の編さんなど計34事業を盛り込んだ。事業費やスケジュールを固め、来年2月に全体像を決定。一部は14年度から具体化する。(岡田浩平)

 爆心地の南西約170メートルに位置するレストハウスは鉄筋3階、地下1階。売店や休憩所を構える。1929年に呉服店が建て、被爆時は広島県燃料配給統制組合の事務所だった。戦後は市東部復興事務所などで活用され、82年からレストハウスに。市は被爆70年事業で外観を変えずに耐震補強をし、休憩スペースを改装する。

 被爆70年史は、被爆前の広島や復興の歩みを振り返る被爆者たちの証言や写真を掲載。写真集や、地域の原爆死没者慰霊行事を記録した冊子も発行する。

 被爆70年の8月6日の平和記念式典には、海外に住む被爆者を招待する。中区の市中央図書館と、南区の市現代美術館で特別展を開く。

 市は被爆70年を「平和への思いを共有する年」と位置付ける。今夏に記念事業のアイデアを公募。市民や職員から寄せられた219件の提案を踏まえ、事業の骨子案をまとめた。市は今後も随時、事業を追加する考え。

 市はこれらの記念事業とは別に被爆70年の取り組みとして「まちづくり先導事業」も計画。45年に迎える被爆100年の都市づくりを見据えたソフト、ハード両面の事業を14年度中に固める方針でいる。

(2013年11月28日朝刊掲載)

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