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核なき世界へ 市民ら議論 広島で二つの原水禁大会

 原水禁国民会議などは5日、原水爆禁止世界大会の分科会を広島市東区で開き6月の核兵器禁止条約第1回締約国会議の成果や「核兵器のない世界」に向けた活動の在り方を話し合った。広島市内ではこの日、日本原水協系の世界大会のほか、連合やKAKKIN(旧核禁会議)の集会もあった。

 原水禁国民会議系の分科会では、オーストリアでの締約国会議に参加した非政府組織(NGO)ピースボートの松村真澄さん(45)が登壇し、核抑止力に頼らない安全保障を進めるには「市民が政治に積極的に関わることが大切だ」と訴えた。同じく締約国会議の関連会議に出席した第24代高校生平和大使で近畿大付属広島高福山校(福山市)3年の大内由紀子さん(18)は「被爆者の話を聞き、世界に発信する役割がある」と話した。

 日本原水協系の世界大会は中区であった。日本平和委員会の千坂純事務局長(65)が、核抑止に関する日米の協議が締約国会議中に開かれたことを批判し、「米国の核兵器使用体制の強化を求める流れが一層強められている」と述べた。

 南区で集会を開いた連合は芳野友子会長がロシアの核兵器による威嚇を「断じて許されない」と批判。「核軍縮を進めるための世論形成において、唯一の戦争被爆国である日本が果たす役割は明確だ」と政府に注文を付けた。KAKKINは東区で集会を開き、核兵器廃絶と原子力の平和利用推進を呼び掛けた。(口元惇矢、宮野史康)

(2022年8月6日朝刊掲載)

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