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「再び被爆者つくらないで」 日本被団協の派遣団 独の若者に体験証言 核禁条約加盟要請も

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて日本被団協の役員たち派遣団4人が米ニューヨークを訪れ、若者への被爆証言や各国への核兵器禁止条約の加盟要請を重ねている。「再び被爆者をつくらないで」との訴えを力の限り発信している。(ニューヨーク発 樋口浩二)

 4日、国連本部近くで事務局次長の浜住治郎さん(76)=東京=は再検討会議を傍聴しにドイツから来た大学生たち10人と向き合った。広島への原爆投下後、父親を捜して市内を歩いた母親のおなかにいた「胎内被爆者」だと明かし、「胎児にも放射線の影響は大きい」と説いた。

 「つらい体験をなぜ話すのか」との問いには「再び被爆者をつくらないでほしいとの一心」と答えた。ヨハネス・ボッセさん(25)は「胎内被爆の危険性を初めて知った。核兵器を廃絶しなければ」と話した。

 被団協の派遣団は2日に到着した。高齢化と新型コロナウイルス禍で7年前の前回会議の約50人から大幅に減ったが、3日に英国のエイダン・リドル軍縮大使、4日に日本の小笠原一郎軍縮大使に核兵器禁止条約への署名・批准を要請するなど精力的に活動している。5日の再検討会議では、事務局次長の和田征子さん(78)=横浜市=が長崎での被爆体験を伝え、核兵器の廃絶を求める。

(2022年8月6日朝刊掲載)

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