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平和の実現 強く願う きょう原爆の日 三次の三良坂・河内で追悼行事

子どもら千羽鶴や献花

 広島への原爆投下から77年となる6日を前に三次市内で5日、小中学生と地元住民が原爆や戦争の犠牲となった人たちを追悼した。三良坂町では中学生が千羽鶴を手向け、オンラインで平和学習をした。河内地区では児童が住民と育てた菊を献花。世界では戦争や紛争が絶えない中、平和の実現を願った。同日夜には三良坂町で市主催の平和のつどいが営まれた。(千葉教生、石井千枝里)

 三良坂中の全校生徒約50人は、近くの三良坂平和公園で「三良坂平和を願う会」が午前中に催した追悼献花式に参加。記念碑「母と子―わたす像」に1人ずつ菊を手向けた。生徒代表の3年生2人が、7月にみらさか小の児童と一緒に折った千羽鶴をささげた。

 生徒は各教室に戻り、モニターに映された被爆体験伝承者の竹中典子さん(47)=広島市南区=の話を聴いた。竹中さんは、今年6月に88歳で亡くなった入市被爆者の川本省三さんについて語り、当時、三次市廻神町の善徳寺に疎開中で、原爆に家族を奪われ孤児となったことなどを伝えた。

 3年奥田龍晴さん(14)は「『平和』という言葉が当たり前の場所に住んでいるが、世界では戦争が起きている所もある。普段から平和について考え、原爆をよく知らない地域の人に伝えていきたい」と話した。

 河内小(小文町)では朝、1~6年生18人で平和を祈って黙とう。その後、代表の5、6年生7人が、校庭の一角で育ててきた慰霊の菊約200本を摘み取った。菊農家坂居君枝さん(83)=穴笠町=に教わりながら白、黄、紫の色を交ぜて束ねた。坂居さんは「今年は雨が少なかったが、子どもたちが水やりを頑張ってくれた」と感謝した。

 続いて、同校そばであった住民による戦没者慰霊式で碑前に献花。5年畠山蓮さん(10)は「きれいな菊に育ってよかった。戦争をしてはいけないという思いを込めた」と話した。

 三良坂平和公園での「平和のつどい」には、福岡誠志市長や三良坂町の原爆被害者の会のメンバーたち約150人が出席。平和記念公園(広島市中区)の折り鶴を再利用して市民が手作りした約800個の灯籠に明かりをともした。

(2022年8月6日朝刊掲載)

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