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核廃絶へ 日本の役割は 与野党8党の幹部 広島で討論

与党「現実的な手法」 野党「禁止条約批准」

 核兵器のない世界に向け日本の役割を話し合う討論会が5日、広島市中区であり、与野党8党の幹部たちが意見を交わした。与党は現実的な路線での核軍縮を主張した一方、野党は日本政府に核兵器禁止条約への批准を求めた。(河野揚)

 自民党の宮沢博行国防部会長は、核抑止力に頼るため禁止条約への参加に反対し「核拡散防止条約(NPT)の議論を進めるのが核廃絶の近道だ」と指摘した。公明党の山口那津男代表は「禁止条約とNPTは補完関係にある」とし、政府が来年の締約国会議にオブザーバー参加できるよう環境を整える考えを示した。

 野党からは禁止条約に後ろ向きな政府への批判が相次いだ。オンライン参加した立憲民主党の泉健太代表は、NPT再検討会議での岸田文雄首相の演説について「禁止条約に触れるべきだった」と強調。共産党の志位和夫委員長とれいわ新選組の櫛渕万里副幹事長、社民党の福島瑞穂党首は「唯一の戦争被爆国として直ちに批准すべきだ」などと訴えた。

 日本維新の会の藤田文武幹事長は、保有国に核兵器を使わせないため「日本は交渉力を上げなければならない」と主張。国民民主党の玉木雄一郎代表は「総合的なアプローチで核廃絶に近づくべきだ」とした。

 日本被団協や広島、長崎の市民団体でつくる核兵器廃絶日本NGO連絡会の主催。会場に聴衆は入れず、終了後にインターネットで動画を配信した。

(2022年8月6日朝刊掲載)

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