×

ニュース

原爆の日を前に継承・祈り 千羽鶴 御調の慰霊碑に 病院や保育所職員が1万羽

 6日の原爆の日を前に、広島県尾道市御調町の病院や保育所の職員たちが5日、同町の原爆慰霊碑に千羽鶴をささげた。2020年に解散するまで碑前で慰霊式典を開いてきた同町原爆被害者協議会の元会員も立ち会い、ともに平和を願った。

 公立みつぎ総合病院や3保育所の職員たち計6人が慰霊碑を訪れた。保育園児たちが折った約1万羽を、2歳の時に広島で被爆した金野鈴恵さん(79)に手渡し、一緒に慰霊碑にささげた。御調中央保育所の保成千香子所長は「子どもは『世界のみんなが安心できますように』と願って折った。平和を願う行事として続けていく」と話した。

 同協議会は1970年に結成し、原爆の日に式典を開いてきたが高齢化などにより解散した。金野さんは「一緒に活動してきた会員は入院したり体調を壊したりして、来られるのは私1人だけになった。若い人が願いを継いでくれるのはうれしい」と感謝した。6日には御調中の生徒が慰霊碑を訪れ、黙とうして折り鶴を手向ける。(石下奈海)

(2022年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ