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抑止論からの脱却訴え 原水禁・協 広島大会が閉幕

 原水禁国民会議などと日本原水協などの二つの原水爆禁止世界大会は6日、それぞれ広島市中区で締めくくりの集会を開いた。ロシアのウクライナ侵攻を巡り核兵器使用の緊張が高まる中、核兵器禁止条約の重要性を再確認。いずれも日本政府に条約への参加を訴える文書を採択し、広島での日程を終えた。

 日本原水協などのヒロシマデー集会には約1600人が集まった。条約制定に尽力した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のベアトリス・フィン事務局長がビデオメッセージを寄せ、米国の核の傘に頼る日本政府の姿勢を非難。「日本は世界の運動をリードする必要がある」と、市民の連帯を呼び掛けた。

 続いて日本政府に対し、核抑止論から脱却し、条約への参加表明などを求める広島宣言を採択した。

 原水禁国民会議などのまとめ集会には約450人が参加した。谷雅志事務局長(42)は3日間の広島大会を振り返り、「核のない世界は決して夢ではなく、具体的に描ける未来だ」と強調した。

 ロシアの核兵器による威嚇や、日本の一部政治家から「核共有」論が取り沙汰されている現状を踏まえ、ヒロシマ・アピールを採択。「核と人類は共存できない。核兵器廃絶への動きを前進させよう」と呼び掛けた。

 原水禁、原水協とも7日から長崎市に会場を移す。(口元惇矢、桑田勇樹)

(2022年8月7日朝刊掲載)

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