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被爆者の試料 活用考える 専門家ら 広島で市民公開講座

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)が保存する被爆者の血液などの活用について考える市民公開講座が30日、中区の原爆資料館であった。160人を前に、専門家や被爆者が活用への課題を話し合った。

 放影研には血清とリンパ球、尿だけで約72万点あるが、全体の量や種類は不明。4月に生物試料センターを設立し、データベースの構築を目指している。

 児玉和紀センター長は講演で「放射線による健康被害の解明は、試料を用いた研究が不可欠だ」と強調。被爆者の理解を得ることや、限りある試料をどの研究に優先して使うかを課題に挙げた。

 続いて、広島大の浅原利正学長を座長に6人がパネル討議。県被団協の坪井直理事長は「人の命を守るために活用してほしい」と述べた。試料を使う研究を選ぶ際、被爆者や市民の意見を反映させる仕組みをつくる意見も出た。(境信重)

(2013年12月1日朝刊掲載)

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