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「世界平和を」「悲惨 伝える」 笠岡で原爆死没者鎮魂式・つどい 特別決議で露に抗議

 米軍により原爆が広島に投下されて77年を迎えた6日、笠岡市原爆死没者鎮魂式と平和祈念のつどいが市保健センターであった。ことしはロシアのウクライナ侵攻に抗議する特別決議を採択し、参列者約40人は核兵器廃絶の必要性や平和の大切さを再認識した。(谷本和久)

 官民でつくる市非核平和都市宣言啓発実行委員会と市が主催。この1年間に亡くなった市内の被爆者4人の名前が読み上げられた。実行委員長で、市原爆被爆者会の上小城昌昭会長(82)が「原爆で多くの命が一瞬に奪われた。犠牲者の冥福を祈り、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に全力を尽くしたい」とあいさつ。小林嘉文市長も「被爆者は高齢化し、原爆の悲惨さを若い世代に伝えていくのが大切」と強調した。

 参列者は献花台へ折り鶴や白菊を手向けて犠牲者を追悼。原爆が投下された午前8時15分に、1分間の黙とうをささげた。

 特別決議は、ロシアの軍事侵攻について「核兵器使用を示唆し、圧力をかけることは、国際社会の努力を冒瀆(ぼうとく)し、非核平和都市を宣言した笠岡市民として看過できない。軍の完全撤退と平和的解決への外交努力を強く求める」とした内容。会場で文書を読み上げ、採択した。

 市によると、市内の被爆者は27人で平均年齢は87・5歳。原爆投下の6日夕に三原から広島へ入って入市被爆した守屋高恵さん(95)=西大島=は5年ぶりの参列。「広島は死体の山で悲惨だった。ロシアの侵攻も許されない。戦争は二度と起こしてはいけない」と訴えた。

(2022年8月7日朝刊掲載)

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