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被爆体験継承の活動紹介 原水禁長崎大会 分科会で議論

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会は8日、長崎市内で分科会があり、被爆の実態を継承する取り組みや課題を話し合った。

 「ヒバクシャから若い世代へ」と題した分科会には、長崎の被爆2世で高校生平和大使派遣委員会の平野伸人共同代表(75)=長崎市=が登壇した。平和活動に若者の参加が少ないという問題意識から1998年に取り組みを始め、これまで約450人の高校生たちがつないできた活動を振り返った。

 核兵器廃絶に向けた署名運動の広がりや、今年6月にオーストリアであった核兵器禁止条約第1回締約国会議の関連行事への参加などを踏まえた実績を紹介。「根気よく続けることに意味がある」と述べ、次世代に継承する意義を説いた。

 別の分科会では、長崎原爆などを描く漫画家の西岡由香さん(57)=長崎市=が被爆の体験はなくても自分のできる発信をしていると説明し、被爆証言を題材にした紙芝居を披露。「今日の聞き手が明日の語り手」になることを期待した。

 長崎大会は7日開幕し、開会総会には約800人が集まった。新型コロナウイルスの影響でオンライン中心が続き、本格的な対面形式は3年ぶり。核兵器のない世界の実現や、国が被爆者と認めていない長崎の「被爆体験者」の救済を訴えた。(口元惇矢)

(2022年8月9日朝刊掲載)

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