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資料館の遺品89点水彩画集 アマ画家・藤登さん

 被爆建物などを描き続けるアマチュア画家の藤登弘郎さん(86)=広島市安芸区=が、原爆資料館(広島市中区)が所蔵する遺品を描き、水彩画集「原爆資料館 無言の証人」を自費出版した。「絵を通して遺族の気持ちを実感してもらえるように」と思いを込めた。

 「伸ちゃんの三輪車」として知られる故鉄谷伸一ちゃんの焼け焦げた三輪車や、生徒が学徒動員中に着ていた制服などを描いた89点。中国新聞の連載「無言の証人」も参考に、遺品の被爆時の状況を書き添えた。当時23歳の女性が着ていたワンピースの絵には、「さようならと言いながら8月18日に亡くなった」と記す。

 藤登さんは2010年から原爆をテーマに画集を自費出版しており、6冊目。B5判124ページ。200部発行。広島市立の各中学校や市立中央図書館などに寄贈した。(湯浅梨奈)

(2022年8月9日朝刊掲載)

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