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米給油機 先行移転「協力を」 防衛相、岩国市長と会談

 山口県岩国市の福田良彦市長は1日、小野寺五典防衛相と市内で会談し、沖縄の基地負担軽減について政府の姿勢を確認した。小野寺氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のKC130空中給油機15機を来年6~9月、米海兵隊岩国基地に先行移転する政府方針にあらためて理解を求めた。

 福田市長は11月中旬の沖縄訪問を踏まえ、「普天間飛行場の全面返還は、政府として最優先に取り組むべき課題」と述べた。

 小野寺氏は、普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への県内移設に必要な埋め立て申請を、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事に承認してもらえるよう全力を尽くすと強調。「少しでも早く目に見える形で沖縄の負担軽減を実現したい。普天間の危険性の除去の第一歩として、(先行)移転をお認めいただきたい」と、重ねて協力を求めた。

 会談には、岩国市議会の桑原敏幸議長も同席。「国防には協力してきたが、都合のいい岩国では困る。オールジャパンでの議論を」と訴え、米軍基地のある自治体の首長たちを集めた議論の場を要望した。小野寺氏は、「非常にいいご提案であり、内部で検討したい」と応じた。

 岩国への移転は普天間問題の解決が前提になっているが、沖縄の負担軽減を理由に、問題解決に先がけた移転を山口県や市が受け入れるとの見方が強まっている。福田市長は2日から始まる市議会定例会で、受け入れの考えを示すとみられる。

 会談に先立ち、小野寺氏は海上自衛隊岩国基地を視察。海上に離着水できる救難飛行艇「US2」に試乗した。(野田華奈子)

(2013年12月2日朝刊掲載)

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