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戦後復興願う歌声 今に 広島大付属中・高生、演奏会再現

 原爆投下の翌年の1946年、音楽で広島市民を励まそうと結成された「広島学生音楽連盟」のステージを再現した演奏会が1日、南区の広島大付属中・高の講堂であった。この講堂は連盟が演奏会に使った会場で現存する唯一の建物。現役の中高生が先人の思いに歌声を重ねた。

 連盟は旧制の広島高等学校(現広島大)、広島女子専門学校(現県立広島大)などの学生約100人で結成。4年ほど混声合唱を続け、著名な音楽家を招いた演奏会も開いた。

 この日は同中・高の合唱班と管弦楽班の約50人が、ソプラノ歌手乗松恵美さん(39)=安佐北区=を招き、連盟のレパートリーだったドイツ歌曲など8曲を披露。約200人が聴いた。同高1年垣本志穂さん(16)は「戦後、音楽で癒やしを届けた先輩たちはすごい。同じ会場で歌えて幸せです」と話した。

 主催は原爆や平和に関する曲の発掘に取り組む「ヒロシマと音楽」委員会。3年前から「ヒロシマ・音の記憶」と銘打った演奏会を開き、今回で4回目。(田中美千子)

(2013年12月2日朝刊掲載)

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