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反戦訴えた創作の歩み 中区 四国五郎さん巡り講演

 終戦の日を前に「反戦・原爆詩を朗読する市民のつどい」が14日、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザであった。被爆地広島から反戦平和への思いを絵筆に込めた画家四国五郎さん(1924~2014年)の業績をたどる講演会などがあり、集まった約90人が平和の尊さについて考えた。

 元NHKプロデューサーで、武蔵大の永田浩三教授(67)=メディア社会学=が講演。シベリア抑留を体験した後に原爆で壊滅した広島へ戻った四国さんの生涯を振り返った。戦争への怒りなどを表した絵画や、被爆死した弟への思いをつづった詩も紹介した。

 米国占領下で、反戦を訴える詩と絵を組み合わせたポスター「辻詩」を街頭に張った行動にも触れ、「今では当たり前にできることだが当時は命懸けだった」と強調。「体験していない原爆を自分のこととして表現している。並大抵の努力ではない」と語った。

 イベントは、広島文学資料保全の会や広島花幻忌の会などの住民グループが02年から終戦の日に合わせて毎年開催。この日は四国さんの詩の朗読などもした。(山崎雄一)

(2022年8月15日朝刊掲載)

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