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岩国大空襲 犠牲者を追悼 50人が参列し慰霊祭

 終戦前日の1945年8月14日に米軍による岩国大空襲で亡くなった人たちの慰霊祭が14日、山口県岩国市麻里布町のJR岩国駅西口の駅前広場で営まれた。遺族や市職員たち約50人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。

 空襲が始まった午前11時15分、サイレンに合わせて参列者が黙とうした。犠牲者を悼んで建てられた平和記念碑「乙女の像」に一人一人が白菊を手向け、手を合わせた。

 毎年参加する同市尾津町の主婦平岡洋子さん(87)は当時、麻里布国民学校5年生。自治会長だった父の管林梅一さんは爆風に打ち上げられて即死した。近所の人が避難するのを確認していて逃げ遅れたという。「戦後は経済的に苦労した。元気なうちはお参りし、安心して暮らせる今の幸せを父に伝えたい」と話していた。

 岩国大空襲は昼前の約25分間、米軍のB29爆撃機が岩国駅周辺を爆撃した。市史によると、517人が死亡し、30人が行方不明になった。(黒川雅弘)

(2022年8月15日朝刊掲載)

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