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[変わる街] 原爆ドーム前の横断歩道拡幅へ 球場跡 イベント広場来春オープン

南北軸線上 回遊性高める

 旧広島市民球場跡地(中区)に建設中のイベント広場が来年3月にオープンするのに合わせ、市は広場南側の相生通りにある横断歩道を移設し、2倍に広げる。平和記念公園内の原爆慰霊碑、原爆ドームを結ぶ南北の「軸線」上に配置。跡地内に新設する遊歩道とも一直線につなげ、一帯の回遊性を高める。(川上裕)

 現在の横断歩道(長さ28メートル)を西へ約8メートル移し、幅は4メートルから8メートルへ広げる。信号機を付け替え、横断歩道に接する広島電鉄の原爆ドーム前電停の西端も約2メートル延長する。今秋に着工し、広場のオープンまでに完成させる。総事業費は計1億2600万円。県警や広電とも協議済みで、市が全額を負担する。

 跡地内で、NTT都市開発を代表とする企業グループが整備、運営を担うイベント広場は、中心の「ひろしまゲートパークプラザ」の西側に遊歩道ができ、市が北側の中央公園広場に建設中のサッカースタジアムへ通り抜けられる。横断歩道と遊歩道の配置は、故丹下健三氏による平和記念公園の設計思想で、原爆ドームと原爆慰霊碑、原爆資料館を直線上に結ぶ「軸線」を意識したという。

 イベント広場には飲食店や物販店なども併設され、年間100万人の来場者を見込む。市は、横断歩道の移設、拡幅により、平和記念公園側から観光客たちを呼び込みたい考え。市の担当者は「公園からの人の流れは道路で分断されている。安心して広場側と行き来できるように横断歩道を整備し、回遊性を高めたい」としている。

(2022年8月14日朝刊掲載)

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