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[NPT再検討会議2022] 再改定版に不満の声も 第1委 非保有国「核軍縮不十分」

 米ニューヨークの国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1委員会(核軍縮)は19日、討議を終えた。最終文書素案の再改定版を巡り、核軍縮に向けた期限の設定などがなく、内容が不十分だという意見が核兵器非保有国から出た。(ニューヨーク発 小林可奈)

 第3委員会(原子力の平和利用)も討議を終了し、第2委員会(核不拡散)は22日に終える見通し。再検討会議のスラウビネン議長は22日にも各委員会の素案をまとめた最終文書案を各国に示し、26日の閉幕までの採択を目指す。

 第1委員会の素案再改定版は「先制不使用」宣言のほか、保有国が非保有国を核攻撃しない「消極的安全保障」に法的拘束力を持たせる国際交渉など保有国が反発してきた内容を含む。オーストリアは討議で、核軍縮の数値目標や期限の設定に関する項目がない点に「多くの国が受け入れがたいリスクと核の脅威への懸念、軍縮を速やかに進める必要性を表明しているのに、文書に反映されていない」と不満を表明した。

(2022年8月21日朝刊掲載)

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