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戦争遺跡 保存・活用探る 広島で全国シンポ あすまで

 戦争遺跡の保存や活用策を考える全国シンポジウムが20日、広島市中区の市青少年センターで始まった。全国から約150人が参加。軍都としての広島の遺跡が、戦争の悲惨さや愚かさを伝える意義について理解を深めた。戦争遺跡保存全国ネットワーク(長野市)などの主催。22日まで。

 原爆資料館(中区)の元館長原田浩さん(83)は講演で、原爆ドームの保存や世界遺産登録など平和行政の歩みを語った。来年5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)にも触れ「一過性のイベントに終わらせず、ヒロシマのメッセージを伝えないといけない」と力を込めた。

 広島大の藤野次史名誉教授は、中区のサッカースタジアム建設地で出土し、一部の切り取り保存が進む旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊(輜重隊)」の遺構について解説した。

 21日は戦争遺跡の保存運動などをテーマにした分科会を開く。22日は被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」などを巡る。(石井雄一)

(2022年8月21日朝刊掲載)

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