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被爆者の土産物店再現 「原爆一号 吉川記念品店」 レストハウスで

 被爆者の故吉川(きっかわ)清さんと故生美(いきみ)さん夫妻が原爆ドーム(広島市中区)そばで営んだ土産物店などを紹介するイベント「いま、ここにあるヒロシマ2」が22日、平和記念公園(中区)の被爆建物レストハウスで始まった。24日まで。無料。

 会場入り口に「原爆一号 吉川記念品店」の看板を掲げたバラック建ての店を再現した。清さんの背中に残るケロイドの痕や、被爆者運動で座り込みをする様子などの写真18枚もレストハウス内に展示。夫妻の歩みを紹介している。

 「原爆一号」と呼ばれた清さんは、原爆の悲惨さや被爆者の怒りを伝えながらドームそばで絵はがきや被爆瓦を販売。広島市で初期の被爆者組織も結成した。

 来場した安芸高田市の国木祐二さん(65)は「清さんが写真で見せる穏やかな表情が印象的だった。核兵器使用の緊張感が高まる今こそ夫妻の思いを受け止めたい」と話していた。

 市民でつくる実行委員会が昨年に続いて企画。吉川夫妻を題材にした映画や被爆者の証言ビデオの上映会もある。(余村泰樹)

(2022年8月23日朝刊掲載)

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