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原爆資料館 耐震補強 調査スタート コンクリ強度を分析

 広島市は、2016年度から予定する原爆資料館本館(中区)の耐震補強工事に向け、事前調査を始めた。コンクリート製の柱などから強度を調べる試料を抜き取る。国の重要文化財である本館の一部に穴を開けるのは、1955年の開館以来初めて。3日には本館西側の一角が作業用の足場で囲まれた。本年度中に試料の強度などを調べ、耐震補強工事の工法を決める。

 市の委託を受けた文化財建造物保存技術協会(東京)が今月中旬から試料の抜き取り作業に着手。来年1月末までに終える。試料は直径8センチ、長さ20センチの円柱。本館を支える20本の柱の一部や、地中の基礎部分などから計9本を抜き取る。穴は新たなコンクリートで埋める。

 抜き取った試料は劣化状況や強度を検査。その結果を基に市は来年度、16~17年度に実施する耐震補強の工法を決める。地中の基礎部分は免震ゴムを取り付けることが既に決まっている。

 資料館本館は、世界的な建築家の丹下健三(1913~2005年)が設計し、06年に国重文に指定された。市によるとコンクリート建築の国重文に耐震補強の前例はなく、工法をめぐる文化庁との協議は難航。工事開始も当初予定より1年遅れた。市平和推進課は「外観を変えず、安全性も保てる工法が必要。確定には慎重を期したい」としている。(田中美千子)

(2013年12月4日朝刊掲載)

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