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新基準で申請却下の被爆者たち108人 原爆症認定へ全国原告団 制度の抜本改正訴え

 原爆症の認定基準が2008年に緩和された後に申請を却下され、各地で訴訟を起こしている被爆者たちが3日、全国原告団を結成した。「訴訟に勝ち続けることが被爆の実態に沿った制度の実現につながる」と訴え、原告同士が連携し、認定制度の抜本改正に向けた機運を盛り上げることを確認した。(藤村潤平)

 広島、岡山、長崎、東京、名古屋、大阪、熊本の7地裁で提訴した108人(うち10人は勝訴確定)で構成。国会内で開いた結成集会には、弁護士を含め約40人が出席した。

 原告団の名称を「ノーモア・ヒバクシャ訴訟全国原告団」に決め、団長には、11年に終結した原爆症認定集団訴訟で団長を務めた山本英典さん(80)=東京都杉並区=を選んだ。

 広島地裁に提訴した原告で参加したのは27人。集会に出席した広島市安佐南区の八木義彦さん(79)は、爆心地から約1・5キロで被爆した。3年前、現行基準で約3・5キロ以内なら積極認定される心筋梗塞を患ったが、国の審査で「原爆放射線との関連性がない」と認定申請を却下された。

 昨年9月に提訴した八木さんは「裁判を起こす前に認定してほしいと願いながら亡くなる知人が増えている」と、一刻も早い制度の見直しを訴えた。

(2013年12月4日朝刊掲載)

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