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「爆心地記念館」として資料展示 レストハウス改称を 中島地区元住民、広島市に要望

 原爆の爆心地に近い広島市中区の平和記念公園一帯に自宅があった人たちが3日、公園内のレストハウスに被爆前の街並みを紹介する資料を展示し、「爆心地記念館」と改称するよう市に要望した。

 公園がある中島地区で唯一現存する被爆建物のレストハウスは、1929年に大正屋呉服店が建てた。元住民たち約40人でつくる「元大正屋呉服店を保存する会」のメンバーたち13人がこの日、市役所で松井一実市長と面会。諏訪了我(りょうが)代表世話人(80)が、繁華街だった中島地区の写真や解説パネルの展示と、記念館への改称を申し入れた。

 元住民の高松翠さん(80)=南区=は、休憩所として主に使われているレストハウスを「原爆の悲惨さや住民の思いを伝える役割を果たしていない」とし機能変更を訴えた。

 市は2015年の被爆70年に向けた事業の一環で、レストハウスの耐震改修や内部改装を計画する。松井市長は「思い出を大切にしたいという住民の気持ちや意見を聴きながら進めたい」と話した。(岡田浩平)

(2013年12月4日朝刊掲載)

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