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「幸せな春必ず」 ウクライナから三次に避難 イリーナさん一家 侵攻半年 母国思う

 ロシアのウクライナ侵攻開始から半年となった24日、同国東部ドネツク州から三次市に住むいとこを頼って避難してきたイリーナ・ブワイロさん(37)一家が、母国や残る親族、友人への思いを語った。「ウクライナにも幸せな春がきっと訪れるはず」―。遠く離れた場所から一刻も早い終戦を願う。(石井千枝里)

 イリーナさんと夫ディミトルさん(38)、長男アレクサンドルさん(13)、長女ズラータちゃん(4)、生後11カ月の次女ポリーナちゃんが三次に来て4カ月余り。2週間前には、現地の自宅から約2キロ離れたアパートが爆撃を受け、数人が負傷、1人が亡くなったという。イリーナさんは「ここまで長引くと思っていなかった。両方の国がうまく争いを止められないのが悲しい」と表情を曇らせた。

 この日は、1991年にソ連からの独立を宣言した記念日でもある。戦争の前は、ピクニックに行ったり花火をしたりして過ごしていたという。ディミトルさんは「ウクライナ人にとって大切な日。今もそれぞれの立場で一生懸命戦ってくれている」と力を込める。

 7月下旬、これまで住んでいたいとこのオクサナ・ヤシチェンコさん(47)宅そばにアパートを借り、5人で暮らし始めた。三次に来たばかりの頃はハイハイしていたポリーナちゃんは、自分の足で歩けるようになった。八次小(畠敷町)に通うアレクサンドルさんは夏休み中で、9月からは現地の学校の授業をオンラインで受講する。

 イリーナさんは「わが子が元気に成長するのはうれしいが、現地の子どもたちは不安を募らせている。みんなが平和に暮らせるようになってほしい」と祈る。

(2022年8月25日朝刊掲載)

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