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[2023広島サミット] 国際的な課題 C7が提言へ NPO・NGO・個人が有志連合

環境や人道支援テーマ

 広島市で来年5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、市内外のNPO法人や非政府組織(NGO)が、地球環境や人道支援といった国際的な課題について学びを深める活動を始めた。G7サミットの前に集大成となる国際会議「C7サミット」を東京で開く。Cは「Civil Society(市民社会)」の頭文字。広島での議論なども踏まえ、各国政府への政策提言をまとめる計画だ。(久保友美恵)

 国内のNPOやNGO計74団体と個人19人が今年5月、「G7市民社会コアリション」を結成した。コアリションは有志連合を意味し、東京に拠点を置く。今後、300団体を目標に参加者を募りながら、環境▽経済▽保健▽平和-などの世界規模の課題を学び合い、解決策について議論を重ねる。

 7月上旬にあったオンライン勉強会には約120人が参加。広島市や水戸市などの7団体が「G7が取り組むべき課題」を発表した。核被害者の援助のための国際協力を挙げたNPO法人ANT‐Hiroshima(中区)の渡部朋子理事長は「核兵器が再び使われる脅威に直面している。核被害について正しく世界中に知ってもらわないといけない」と強調した。

 他にも、世界規模の感染症対策の構築やジェンダー平等の推進を訴える意見が出た。広島サミット議長国としての準備を担う鈴木浩外務審議官はあいさつで「G7サミットを成功させるためにも市民社会との対話がとても重要だ」と連携をアピールした。

 今後、オンラインや広島で市民向け勉強会を重ね、国際会議「C7サミット」をG7サミット前に東京で開く。広島市でも同じころ、地元の人がより参加しやすい形で「市民社会サミット(仮称)」を催す。これらの議論に海外のNGOの意見も取り入れて「市民社会からの提言」をまとめ、G7各国に届ける。

 これまでもG7サミットでは開催地の市民たちが中心となってC7サミットを開いてきた。広島でも受け継ぐ形となり、コアリションの共同代表に就いたひろしまNPOセンター(中区)の松原裕樹事務局長は「グローバルな課題を市民一人一人がより身近に考える契機にしたい。多くの市民と国境を超えてつながりながら提言を練り上げていく」と意気込む。

 コアリションの問い合わせは国際協力NGOセンター(東京)がメールで受け付ける。janic‐advocacy@janic.org

(2022年8月25日朝刊掲載)

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