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映画で沖縄に思い寄せて 復帰50周年 呉で22日上映会

 日本復帰50周年の沖縄に思いを寄せ、平和について考える映画上映会が22日、呉市役所内の新日本造機ホールである。父を沖縄戦で亡くした呉市の元小学校教諭、渡辺敞子(あきこ)さん(81)たちが実行委員会をつくって企画。上映作に関連し、沖縄ゆかりの人たちが舞台あいさつに立つ。(道面雅量)

 上映作は、太平洋戦争中に沖縄から出航した学童疎開船の悲劇を描いたアニメ「対馬丸」(1982年)と、沖縄返還交渉に力を尽くした外交官が主人公の「返還交渉人」(2018年)。

 それぞれ上映前に舞台あいさつがある。学生と一緒に沖縄の戦跡を歩く活動を続けてきた広島経済大名誉教授の岡本貞雄さん、対馬丸への乗船を偶然免れたが多くの学友を亡くした梅本テル子さん、沖縄出身で72年の復帰を本土の学生として体験した中村盛博さんたちが登壇を予定する。

 主催者代表の渡辺さんは、学校を退職後の08年、岡本さんや学生の沖縄を歩く活動を知り、毎年、旅に同行するようになった。行く先々で「広島は大変でしたね」と原爆についての言葉を掛けられ、「広島の人はどれほど沖縄に関心を寄せているだろうか」との思いが募ったという。

 「教員時代、子どもたちに伝えてこなかった後悔もある。こうした機会を大事にしたい」と企画の意図を語る。

 「対馬丸」は午前10時半から、「返還交渉人」は午後1時半から、それぞれ舞台あいさつを経て上映。1作品800円(中学生以下500円)。前売り券(500円)もある。☎090(8065)0118。

(2022年8月20日朝刊掲載)

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